
テスト前は強い不安を感じてメンタルがやられる方が多いのではないでしょうか。
メンタルがやられてテスト勉強をしないといけないのにできない、体調が悪くなる方は、テストによってメンタルが崩壊していると言っても過言ではありません。
そこで今回は、テスト前に強い不安を感じてしまう「テスト不安」と呼ばれる心理状態と、テスト不安を乗り越える3つのやり方とコツをご紹介いたします。
テスト勉強はメンタルがやられる!「テスト不安」とは?
テストが近づいてくると、テスト勉強をしてテストに備えます。
しかしテストそのものに対して不安を強く感じてしまい、テスト勉強に全く手が付かなくなる場合は、「テスト不安」の可能性があります。
テスト不安とはテストに対して極端に不安を感じてしまい、テスト勉強に身が入らずますます不安になってしまうことを言います。
テスト不安でメンタルがやられる方の特徴は、テストが近づくにつれて不安を強く感じてテスト勉強に手がつけられなくなりますが、テスト期間が終了すればこれまで通り過ごすことができることです。
そのため「緊張していただけ」と何も対策をせずにメンタルがやられたまま過ごすため、次のテストが近づいてくるとまた強い不安を感じるようになります。
例えば閉所恐怖症の人が、密室にいると強い不安や恐怖を感じますが、密室から解放されるとこれまで通り平常心でいられます。
この状態を「閉所恐怖症が治った」とは言わないでしょう。
なぜなら、また密室に閉じ込められれば強い不安や恐怖に襲われてしまう可能性が高いからです。
これらの不安が自然に治る保証はどこにもないので、不安を感じていない時にこそ積極的にテスト不安への対策を行う必要があります。
テスト不安を乗り越える3つのやり方とコツは?
テストは誰しも不安を感じるものですが、強い不安でテスト勉強ができない方は対処する必要があります。
ここからはテスト不安を乗り越えて崩壊したメンタルを整えるやり方とコツを3つご紹介いたします。
1.中程度の不安は抱えたままにしておく
人は不安を感じると、心も身体も落ち着かずにとても不快な感覚を覚えます。
しかし不安は有用なもので、不安があるからこそあなたは今日まで生きることができたと言っても過言ではありません。
不安という感情がなぜ存在するのかというと、「ここは大事なところ」「備えをしないといけない」と警告するために存在しています。
この不安を起爆剤に、私たちは勉強や仕事に対するモチベーションややる気へとつなげることができます。
しかし不安はある程度の上限を超えると、行動するためのモチベーションややる気の邪魔をしてしまいます。
そのためテスト不安を乗り越えるやり方では、不安を完全に無くすことを目指すのではなく、中程度の不安を残しておくことがコツです。
「テスト前にこんなに不安になってしまう自分はおかしい」と思うのではなく、「不安になっても良い」と不安という感情を受け入れて、不安が出しているメッセージを受け取るようにしましょう。
2.テストに対する考え方を変える
高校受験や大学受験などあなたの進路にかかわる大きな試験であれば、あなたが感じているテスト不安は受験経験者でも想像を絶するものになるでしょう。
しかしながら、多くの人が不安を起爆剤にしてテストに備えることができるのに対して、テスト不安に悩んでいる方が何も手がつけられなくなるのはなぜなのでしょうか?
これは、テストに対する考え方が根本から違うからです。
テストに対する解釈を変えることで、テスト不安を和らげることができます。
例えば、「テストは人間としての価値を計っているから、テストで良い点数を取れない自分はダメ人間だ」「常に良い成績でいなければいけないのに、成績がよくなかった。自分には価値がない」と感じるのではなく、次のように解釈してみましょう。
「テストで良い点数を取れたらいいけど、もしうまくいかなくても自分は十分な努力をした」
「テストは科目の理解度を調べているだけ」
「自分は常に成績上位であり続ける必要性はない」
前述のようなテストに対する負の解釈をしていると、「結果を残すことができない自分はダメ人間」という結論になってしまうので、テスト不安が大きなものになってしまいます。
しかし後述した「テストでベストを出すけど、良い結果が出なかった時はそれはそれで仕方がないことだ」と解釈することができれば、テストに対する不安を和らげることができます。
後ろ向きではなく前向きにテストという試験を解釈して、それを繰り返し行うことで、自然とテストという試験に対する不安やプレッシャーが小さなものになっていきます。
3.マインドフルネスの状態にする
マインドフルネスとは近年IT企業を中心に社員研修に取り入れられることが増えている瞑想のことで、“今”に向けて3つのやり方を実践するものです。
- 今ここに持続的に注意をおく
- 考えやイメージに入り込まない(脱フュージョン)
- ありのままを受け入れる・コントロールしない(アクセプタンス)
マインドフルネスは複雑な概念ですが、簡単に説明すると上記3つの構成要素に分けられています。
「今ここに持続的に注意をおく」では、人間の豊かな言語力や想像力によってもたらされる様々な不安ではなく、“今の自分”に注意をおきます。
今の自分で最もポピュラーなものでは、「呼吸」です。
呼吸はコントロールできるものでも、呼吸について考えるものでもありません。
この呼吸に意識を向けて呼吸をしている今の自分を感じることで、一呼吸ごとに楽しんでゆっくりと感じます。
「考えやイメージに入り込まない」では、テストに対するあなたの考えや想像に入り込んで、まだテストはしばらく先の出来事なのに「テストで失敗するのではないか」と不安を感じるのではなく、現在を意識します。
例えばあなたが映画を見ているときは、物語に入り込んで主人公の立場で映画を楽しみます。
しかし隣に座っている人が不注意でドリンクをこぼせば、ハッ!として現実に引き戻されて、映画を見ることが一時的に中断するでしょう。
これを脱フュージョンと言い、テスト不安ではテストに対して不安を感じたときに現在を意識することで、「あっ!またテストで失敗するって考えていた」と気がつきます。
現在の自分を意識できたら、先ほどご紹介した今の自分が行っている呼吸に意識を向けることで、テスト不安による強い不安から解放されます。
「ありのままを受け入れる・コントロールしない」は、ここまで今の自分が行っている呼吸に意識を向けて、脱フュージョンをしても湧いてくる不安に対して、その不安を受け入れることを言います。
失敗してしまうことに対する不安が湧き上がってきたら、「あー、また不安になっているな」と不安を感じている自分を眺めます。
無理に不安を払い除けようとせずに眺めることで、ハッ!と我に帰ったときに呼吸に意識を向け直すことで不安を和らげることができます。
まとめ
テスト不安を感じることで、テスト勉強に身が入らず、それでまた強い不安に襲われる悪循環に陥ります。
そのためテスト不安を感じる前の落ち着いている時に、テスト不安への対処をしっかりと行う必要があります。
テスト不安を乗り越えるやり方やコツは、中程度の不安を残して、テストに対する解釈を変える。そして、マインドフルネスの状態にすることで強いテスト不安を和らげることができます。